先日、士業の先生からこんなご質問をいただきました。
「当事務所では、顧問先からの資料回収に多くの時間を費やしており、担当者によってバラバラな方法で行われているため、非効率な状況が続いています。特に、担当者が休暇や病欠の際には、他のメンバーが引き継ぐのに苦労しています。資料回収の標準化を進めるにあたり、まず着手すべきポイントを教えていただけますでしょうか?」
資料回収の標準化のポイントは2つです。
- 事務所全体の効率化や担当者の時間創出に向けたゴール設定
- 回収の標準化におけるスモールスタート
事務所全体の効率化や担当者の時間創出に向けたゴール設定
まず、事務所全体の効率化や担当者の時間創出に向けたゴール設定が重要です。
資料回収の非効率な状況が続いている原因を分析し、目指すべき姿を明確にしましょう。具体的には、以下のようなゴールが考えられます。
- 資料回収にかかる時間を現状の50%に削減し、担当者の業務負荷を軽減する
- 担当者不在時の引き継ぎを円滑にし、業務を滞らせない体制を整える
- 標準化された資料回収プロセスを確立し、属人化を解消する
- 顧問先からの資料回収頻度を向上し、決算月を迎えたときの資料回収率を80%にする
ゴールを設定したら、そこに向けてアクションプランを立てましょう。
回収の標準化におけるスモールスタート
次に、回収の標準化についてはスモールスタートがベストです。
一度に全ての顧問先を対象にするのではなく、まずは2~3割の顧客から始めることをおすすめします。
この2~3割の顧客は、基本的なチェックリストで対応可能な顧問先を選ぶことが重要です。
基本的なチェックリストを作成し、運用を開始しましょう。チェックリストには、以下のような項目を含めることができます。
- 必要な資料の一覧
- 資料の提出期限
- 提出方法(メール、郵送、クラウドストレージなど)
- 担当者の連絡先
- 資料の受領確認方法
チェックリストを運用しながら、定期的に結果を評価し、改善点を洗い出していきます。
改善点を反映させ、チェックリストをブラッシュアップしていくことで、より効果的な標準化を実現できるでしょう。
スモールスタートで一定の成果が出たら、次のステップに進みましょう。基本的なチェックリストに少し追加の項目を加えることで、対応可能な顧客の範囲を拡大していきます。このように、段階的に標準化の対象を広げていくことで、事務所全体の資料回収プロセスを効率化していくことができます。
ただし、一部の顧問先については、標準化が難しいケースもあるでしょう。そのような顧問先に対しては、一度例外として個別に対応することが必要です。例外の顧問先についても、できる限り標準化に近づけるよう、コミュニケーションを図っていくことが大切です。
まとめ
資料回収の標準化により、資料回収の業務を担当者から外すことができます。
結果的に、事務所の生産性向上と属人化の解消に大きく貢献します。
メンバー全員で目標を共有し、スモールスタートで着実に改善を積み重ねていきましょう。
チェックリストの作成と運用、定期的な評価と改善、段階的な対象拡大などのステップを踏むことで、効果的な標準化を実現することができるはずです。
コメント