先日、ある税理士事務所の所長からご相談を受けました。
若手が育たない、ベテランの知識やスキルを伝承できていない、人材育成に課題感はあるものの効果的なアプローチや計画に割く余力がない、というお悩みです。
おそらく、これらのお悩みは共感される事務所も多いのではないでしょうか。
人材育成の重要性は理解していても、日々の業務に追われ、なかなか体系的な取り組みず、
結果として、場当たり的なOJTに頼らざるを得ない。
この状況は、事務所の持続的な成長を脅かす重大な課題となっています。
人材育成の課題、皆様はどのように取り組まれていますか?
今回は、実践的な解決策を見出した事務所の事例をお伝えします。
成功事例から学ぶ効果的アプローチ
段階的な成長プロセスの確立
とある事務所では、入所後3年間の成長プロセスを明確に示し、各段階での目標と必要なスキルを具体化しています。
これによってキャリアパスの可視化に成功し、「期待される役割が明確になることで、自己成長への意欲が高まりました」と、若手社員は語ります。
日々の対話から始める
「大げさな取り組みである必要はありません」と語るのは、関東圏の事務所の所長です。
この事務所では、毎朝15分のミーティングを実施しています。
そこでは業務の確認だけでなく、疑問点を相談する時間として活用しています。
「1日1回、確実に疑問点を解消する時間が確保されることで、タイミングを身測るためにソワソワせず、安心して業務に取り組めるようになりました。」と、若手社員は語ります。
理念の共有と浸透
企業理念の読み合わせを定期的に行う事務所もあります。
重要なのは形式ではなく、理念に基づく対話の積み重ねです。
業務スキルの向上では身につかない、経営理念の共有と浸透が、業務での要所要所の判断の軸を作ります。
次世代リーダーの育成
中長期的な視点では、次世代のリーダー育成も重要な課題です。
経営会議への参加機会の提供や、重要顧問先との接点創出など、意図的な育成機会の設定が必要です。
まとめ
持続的な成長のために
人材育成は、即効性のある解決策はありません。
しかし、日々の小さな取り組みの積み重ねが、確実に成果につながっています。
重要なのは、育成する側と育成される側の双方が成長を実感できる仕組みづくり。それが、事務所の持続的な成長の礎となるのです。
自事務所に合った小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。
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