所長のキャリアと職員のキャリア

最近は、
所長先生からは、本当にこのまま大きくしていいのか
という組織サイズ・雇用のあり方・目標・業界のこれからについてのご相談を、
職員様からは、このまま事務所で働き続けていいのか
というご自身のキャリアについてのご相談を
頂くことが増えたからです。

急拡大トレンドと1人税理士トレンド

会計業界では、
2001年(平成13年)の税理士法改正によって、広告規制の撤廃、報酬自由化、税理士の法人制度が実現しました。
そこから5年後くらいにWEBサイトあるだけで集客が実現 みたいな時期があって、
2015年くらいまでは会社設立・創業支援などを中心とした集客ブームが発生。
そこから、業種特化・業務特化などに広がりました。
ただ、
業務オペレーションに関しては、チーム制もしくは文鎮型が多く、
急拡大による組織づくりに失敗している事務所もたくさんあったように感じます。

そこから、急成長する事務所にいたけど、
もっと自分なりにお客さんと向き合いたい、もっと自由に仕事をしたい
という一人税理士ブームもありました。クラウド会計も出たことで、
高付加価値な1人事務所 と、クラウド会計活用による効率化型の1人事務所みたいなパターンもありました。

ただ、どうしても顧客紹介なども含めクライアント数が増える傾向があり、
そこから、
自分なりの組織・顧客とのかかわりを追求する、
”あり方”重視 急成長をもとめない、ワークライフバランス重視型の事務所経営スタンスの所長先生が増えたように思います。

私のご支援している先生でも、
5人の事務所を引き継いで、5年で40人になっている先生や、
1人で開業して5年で10人になっている先生もいれば、
1人で開業して5年で1人だけど、売上高3000万円を超えている
という先生もいます。

現状に対してのお悩みがあるため、
拡大志向事務所と一人事務所、
どちらが成功しているか、
どちらが幸せか、
といった優劣はもちろんありません。

ただ、
規模が多いご事務所のほうが、悩みの種類に、”人”が入ってくるので、
その分、自分自身でコントロールしにくいトラブルや、
所長自身が裏切られた と感じるような退職トラブルのお話などもよく伺います。

一方で、
会計事務所の職員様からは、
急成長している事務所で、自分のやりたいこととのギャップが生まれていたり、
逆に、伸び悩んでいる事務所で、本当にここに居続けていいのだろうか、
というご相談をいただきます。

本音で話せる場

同じ事務所で、所長先生・職員様 双方からお話を伺うと、
結局、お互いが本音で話す場がなかったり、
何のために という目的意識の共有がなかったり
が原因の1つかなと思うことがあります。

このギャップを放置してしまうと組織がバラバラになることも多いので、
信頼できる第三者を入れて話し合う時間がとれればいいのに。と。

そういう意味で、
所長先生にとっても、職員様にとっても
自分らしさ つまり、ミッションとかバリューと
しっかり向き合うことは大切ですし、
そういうメッセージを、色々な事務所が発信することはとても良いことかなと思います。

ちなみに、
とあるご事務所の幹部社員から
退職のご相談をいただいたのですが、
そのきっかけは、
「所長と作った評価制度だと、自分は次の職位になるはずなのに、まだ早いからという理由で今の職位での継続になった」
だそうです。

そりゃ嫌になるわなぁ。。
ただ、もういい!と辞めるのも違うと思う訳で。。
しっかり対話できる場を用意したいと思います。

しくみラボ大須賀

しくみラボ大須賀

税理士事務所専門COO代行。開業~100名以上の事務所で集客・サイト構築から・組織設計・業務フロー再構築・採用・教育・新規事業立ち上げまで。税理士業界が大好きなオタクです。

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